会話学校で勉強する学生は、わたくしの様にとりあえず、日常会話ができて、映画とかも理解出来たらいいなと思っていることでしょう。
ただ、これがかなり難しい相談です。大学で学べばその機会があるというのではかなり大変です。
それでは働くというのはどうでしょうか。カナダの旅行中に日本人の女性と話すことができました。
彼女はもう10年近く、カナダで働いているということでした。
ところでテレビとかは楽しめていますかと聞いたら、なにを言っているかわからないという返事でした。
10年近く滞在しても無理なのか。でもこれはたった一人だけしか聞いていません。他の人は違うかもしれません。
私が若いころ働いていた会社の社長はビジネスのために、時々アメリカに出張していました。
彼があるとき、アメリカに何年もいても映画はわからないそうだよという話をしていました。
今、こうしたことを振り返ったときこれは日本人側、もしくは留学生側のリスニングの問題かな。
結局、ネイティブ側としては相手のリスニングの力に不安を覚えたら英語を遅くして話すというのは自然なことなのです。
ただそれは日本人にとって自然な英語が遠くなってしまうのです。
自然な英語が理解できなければ当然ですがテレビとかは無理です。
結局、最初にリスニングの力があまりないと判断されたらもうそれからずーと自然な英語に変わることはないわけです。
どこかでリスニングが伸びたか判断して、自然な英語に戻すということはしません。だから何年たっても遅い英語を聴き続けるわけです。10年たっても早い英語であるテレビとかは理解できないわけです。
ところで私は、最後の三か月はスイス人のカップルと一緒にホームステイをしていました。
その二人は20台の後半で他のスイス人とは少し違っていました。
それは二人とも初級のクラスでした。これは大変、珍しいことです。
だいたいスイス人の中には、一人でドイツ語、イタリア語、フランス語それに英語も話すような生徒もいて、スイスの場所によって、だいたい2か国以上は話せる生徒が多かったのです。
当然、英語も上級クラスの生徒が普通でした。その中でどうやったら英語の初級になったのか不思議でした。多分、学校を卒業してから時間がたったので、英語を忘れていたのでしょう。
あるとき、そのカップルと居間でテレビを見ていました。その中のセリフが聴き取れなかったので二人に尋ねました。
するとすぐ何とかだという返事がきました。それでわたくしは意味が分かりました。ただ、すぐ答えた彼女は聴き取れるのに意味が分からなかったのです。そういうことを4,5回繰り返しました。
そういうことか。スイスの人、たぶんヨーロッパの人もそうだと思いますが音は聴き取れるのです。だから単語の意味とかそれを覚えれば理解が可能なわけです。
私の様に、音が聴き取れていないので、意味が分からないというのとはわけが違います。
ホームステイの奥さんの英語はわかるのに町で話すと理解できないと言っていた彼も、考えてみたら聴き取りはできるのです。
ただ、知識が足らないので意味が分からなかったのでしょう。
こうやってみると会話学校の先生の英語でも彼らにとって、全然、問題ないわけです。
もともと聞き取れる力があるのでちょっとした努力でそれを克服できるのです。
ただ、英語が違うということはわたくしにとって大きな問題でした。